専用工具の違った使い道Ⅱ


これは丸ノコさんです。通常、木材を切断する為に使用されますが、この図の丸ノコの状態では木材を切断することが出来ません。別にプラグを差していないからとか、故障している訳ではありません。普段使用されている方は一瞬で分かると思いますが、刃の取り付ける向きが表裏逆だからです。が、あえてこの状態で使用する方法というか、この状態でないといけない状況を紹介します。それは

この綿系の断熱材を切断する場合です。この製品の場合、正しい施工方法は

このようにハサミとなっていますが、ハサミだと十数秒、間崩れ部分の狭い箇所用に縦方向に切断する場合は1カットあたり数分かかってしまいます。カッターナイフでも試しましたが、グラスウール系と違い防湿フィルムが無いので、引っ掛かって断面が汚く崩れるだけです。断熱材カッター等も販売されていますが、波刃系カッター・熱線系カッター共にフェノール系・ポリスチレン系の固形断熱材用で、綿系の断熱材には使えません。(綿系でもある程度繊維でまとまっているような物ならピザを切る型のロータリーカッターで切断出来ます。)で、丸ノコで切断する場合はイメージ出来るとは思いますが、通常の刃の向きだと、綿に刃が接触した瞬間、一瞬で丸ノコに巻き込みますので、切断出来ません。当然、切断出来ない以前に危険です。しかし、刃の向きを逆にすることで刃の裏で撫でて切断していく形になるのでほとんど巻き込みはありません。切断方法としては、

グラスウールをカッターナイフで切る時と同様に、この様に合板等で重荷をかけて切断するのが適していると思います。この方法でなら100mm厚の断熱材も充電式の主流である125mm径の丸ノコでも1発切断出来ます。

木材の切断とは違い、モーターにかかる負荷がほぼゼロなので、この間、約2秒足らずでこなしてくれます。普段から、手作業で1時間以上かかる厚物の挽き割りですら数分で終わらせる丸ノコさんですので、これしきの綿ごとき、大したことではないのです。