絶滅危惧種①階段定規

工具に限らず、大概の製品は常に改良され、新しくなるものですが、一方で需要が減るなどの関係で、必要であっても絶版になってしまう工具もあります。
そのうちの一つに、階段定規があります。この定規は主に階段の側桁の加工の為に作られた定規です。が、現在では階段の加工はほとんどプレカットが主流なので使う方も少なく、実際にこれを販売していた店も、今は取り扱っていません。

この定規は丸のこ定規の様な角度設定ツマミに加えて、材料に固定するためのバイスが前後に付いています。
この他、段板じゃくりの前面でミゾキリを止めるストッパーや、ミゾキリの刃の位置を設定して、それに合わせて定規の位置を決め、加工する時は邪魔なので振り子形式で逆側に倒せる定規、ルーターでも使用出来るように四角く囲う定規等が付属しています。
ちなみに回り階段部分の加工は勾配が鈍いので、上記の長さでは足りません。しかし

この様にして連結して長さを倍増させることも出来るのです。

この工具は使用頻度が少なく、消耗・摩耗とはほぼ無関係ですが、一部のユーザーにとっては必需品なので、伝統工芸品の様な扱いにしてでも残すべき工具です。